■バイオビリオンで元気に過ごす樹木たち

　バイオビリオンを施用するに当たっては、樹木個体の特性を把握し、樹勢衰退を食い止める、衰退状況から回復させる、予防処置として樹勢を向上させるなど状態に応じて様々な治療・処置設計を行った上で最適な方法で実施しています。樹木に直接効果を与える材料ではなく、土壌を発酵状態に導き、微生物の働きを活性化することを目的にしていますので、いわゆる「劇薬効果」を狙うものではありません。言い方を換えれば「漢方、東洋医学発想」とでもいえましょうか。この方針の下で、樹木医や岐阜県グリーンドクター（岐阜県認定）、造園技術者、及び十分な研修と訓練を受けたボランティア達（愛知県犬山市の場合は樹木医学講座を開催）が顕著な成果を上げています。技術設計と指導、工程管理については林進博士（岐阜大学名誉教授）がその任にあたっています。今後もシリーズで事例を掲げますので、是非お訪ねください。

　
●兼六園の松や桜

　
●金沢市寺島蔵人邸のドウダンツツジ　
［金沢市指定保存樹］

　
●岐阜県高山市臥龍桜　［国指定］

●愛知県蒲郡市清田（せいだ）の大楠　　［国指定］

●岐阜県郡上市石徹白の大杉　　［国指定］

●愛知県豊川市三河一宮砥鹿神社のケヤキ
［愛知県指定］

●岐阜県高山市国分寺の大銀杏 　　［国指定］

●岐阜県本巣市根尾 　淡墨桜　　［国指定］

●岐阜県白川町水戸野（みどの）の桜　　［岐阜県指定］

●愛知県犬山市 　ヒトツバタゴ　　　［国指定］  

　バイオビリオンは根系育成に使いますが、その際添加する堆肥成分は、草や落ち葉のような有機物によるものが好適です。これらを堆肥化する場合には、バイオビリオンの液肥を全体が湿る程度に混入して撹拌すると、発酵が早くなります。その際、野菜クズや果物の皮などを混入すると、有用な生ゴミ堆肥ができます。果物類を混入すると乳酸発酵が促進されます。ただし、ミカンの皮は分解しにくいので小さく刻むとよいでしょう。また、スイカの皮も固い部分が含まれるため、刻むとよいでしょう。他は適宜刻んで混入します。魚や肉類は、水銀や塩分混入の恐れがあるため使用しません。バイオビリオンの作用のため、臭いは抑制されます。気温にもよりますが、早ければ一週間で発酵状態になります。混入物の原型がなくなれば、土壌化するのに日数はかかりません。この製法による堆肥の効果は非常に高く、経費もかからないので、是非お試しください。